日曜日に聴講した公開レッスンは
3時間があっという間で夢のような音楽の時間だった。
講師はロシア人ピアニストのイリヤ・イーティン氏。
終始優しい笑顔で、受講生の音楽性を最大限に
引き出し、演奏がいきいきと変わっていく。
ベートーヴェン ソナタ Op.26 第1楽章
「あなたは、この作品を弾いてHappyでしたか?」の問いかけから
始まった。この曲は他のソナタと性格が違いリリックな作品だから
とのこと。
ハイドンが先生だったこと、ワルツ以前のメヌエットのように
など時代景なども話されていた。
曲の構成・和声などを読み解きながら、
音のコントロールの仕方などは
打鍵の速さから、欲しい音への追求を
実際に演奏で何度も示してアドバイスされていたのだが
まるでピアノランドのテクニックの指導そのものだった。
「すべて正しく弾いたとしても、何を言いたいのか
理解できなくては、意味がない」
「意味があるように弾かなくてはならない」
作曲者の思いを読み解く楽しさを、
たっぷりと味合わせてもらった内容だった。
レッスンの前に演奏されたラフマニノフのプレリュードは
繊細でいつまでも聴いていたい音色がスタインウェイから
キラキラと優しく響いていた。